南山舎代表が綴る15年経過報告

15年経過報告その3『情報やいま』2001/12月号より

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歩きつづけた10年
 これまでに発行した『やいま』を積み上げると、40センチくらいの高さになる。ページ数にすると何頁くらいになるだろうか。創刊号が本文40ページ、5年目くらいの号がほぼ60ページの厚さ、現在は80ページが基本だから、平均60ページとして…およそ6600ページ。
 チリも積もれば…では例えが悪いが、本当に継続というのは貴重なものだと思う。少しずつでも歩きつづければ10年ではかなりなものになる。この蓄積がわれわれにとっては財産だ。
 『やいま』の発行と平行して書籍なども出してきた。『八重山手帳』のほかに『やえやまガイドブック』『八重山100%活用読本』、八重山に立つシリーズとして『八重山の戦争』(大田静男著)『八重山を読む』(三木健著)、やいま文庫シリーズとして『紀和へ』(嵩西洋子著)『詩集・遠い朝』(砂川哲雄著)…、ほかに自分史の刊行、行政や団体の刊行物も手伝ってきた。地図や絵はがきも出している。

 これら一つひとつの出版に自分なりの思い入れと思い出と意義があるが、ここではふたつだけ書いておこう。
 ひとつは、手帳、ガイドブック、地図。これらは地元発行の本格的なものとしては、おそらく八重山初だろうということ。(本格的とはつまり、内容量が十分なほど豊富であること、かつ商売として成り立つほど売れている、というほどの意味)
 『やえやまガイドブック』は2年に1度の刊行で、これまで3度改訂しているが、1994年にはじめて出したときは「こんなものが八重山でできるのか」と驚かれたものである。
 地図にしても大雑把なものしかなく、一方通行路まで示した実用的な地図はなかったし、しかも石垣島以外はほんとにおざなりなものだった。

自分たちのものを自分たちの手で
 なぜ作ろうと思ったか?
 やはり、必要だと感じていたのだと思う。一方で、「自分たちのものを自分たちの手で」という気持ちも強かった。これまでのガイドブックというと、八重山だけで独立したものはなく、「沖縄」の中に序でに添えられているようなものだったから、コンナモンジャナイ、とわじわじーもしていたのだと思う。
 おかげさまで『やえやまガイドブック』は今年から全国発売となって、健闘中!
 もうひとつは、『八重山の戦争』でスタートした「八重山に立つシリーズ」。その場所にたって考えようというコンセプトの本づくりは、いろんなものが身近にある田舎ならではのひとつのスタイルを確立したのではないかと思う。

 さて、手帳、月刊誌、ガイドブック、シリーズ本の刊行のあと、1999年9月にインターネットのホームページ「やいまねっと」を開設、今年の8月には石垣市商工会と協力して、あやぱにモールに「やいまワールド」という総合案内所をオープンした。
 インターネットはこれからが楽しみな分野で、おいおいと充実させていくとして、さて、「やいまワールド」についてだが、これは南山舎にとっては画期的な展開だと考えている。というのも、これまで私たちは主に紙に情報を詰めて(出版というかたちで)多くの人に伝えてきた。ところが「やいまワールド」では、その空間で情報を展開させなければならない。
 紙よりももっとダイレクトに、人間と人間が情報をやりとりする空間、モノが情報となる空間、例えば、店の前でビデオを流せばそこが情報伝達の空間となり、公園でイベントを企画すればそこも情報空間となるような展開。おおげさに言うと、街をメディアにすることができるような、そこへつながる役割を「やいまワールド」に課したいと思うのだが…。

「八重山」だらけの15年
 この15年を振り返ると、「八重山」だらけだったなあ、というのが実感。もちろんこれからも続けていくが、今後は八重山の中の「個」にも力をいれていきたいと思っている。もっと細かく深く人やモノに入り込み、その空間や時間の襞を見てみたいと思う。
 今後ともどうぞよろしく。

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